2015年8月18日火曜日

誰が「召集拒否家族」のまとめを消させたか? という話

お久しぶりです、というか最近いつも「おひさしぶり」が最初に来るのが板についてきたdragonerです。

コミケも終わり、色々なお仕事も落ち着いてきたので、さあそろそろブログでも書くかあ〜、その前に艦これ夏イベやろうと思ったのもつかの間。旗艦PCのBIOSが吹っ飛んで、重量10キロ超の漬物石と成り果てましたので涙が止まりません。そういう時はツイッターに逃避です。

で、8月中旬は終戦の月。やはり戦争関係のツイートが多く見られます。そして数日前に話題になったのが、「召集令状を無視してバックれた家族の話」(リンク先すでに無し)としてtogetterにまとめられた一連のツイートです。召集令状2通来たけど家族ぐるみでバックれて蒸発し、終戦までやり過ごした家族の話です。

その一連のツイートがRTされてきた時、「おーすげー(小学生並の感想)」となったので、フォロワーにも伝えようとRTするか一瞬考えましたが、「キレイ過ぎて確証持てない話だなあ……。だいいち、召集拒否でバックれて助かったなんてストーリー、いかにもネトウヨが叩きそうだし……」と思い直して止めました。

まあ、これで終わった話かと持ったんですが、PC不調で泣きながらケーブルが正しく刺さっているか確認している時に、件のまとめが消えたという話がTLに登っていました。作家の瀬川深先生や、他の方がツイートしてるのがRTされてきたのですね。



うおー、なんてことや。と以下のツイート。




上のツイートでは「叩く奴」が誰かは書いてませんが、いかにもネトウヨに叩かれそうな話だと思っていたので、叩かれて引っ込まざるを得なくなったのかな? と思ってました。すでにまとめは無く、発言主は鍵をかけて見れません。この時、PCで不調に嗚咽にむせびながらCMOSクリアボタンを押しまくってたので、ツイッター以外から情報集めていませんでした。

ところが、正教会司祭(本当)の涼月氏から、どうも様子が違うと以下のリプライを頂きました。




ん、ネトウヨだけの攻撃とは違う? どういうことだろう? と気になったのですが、すでに夜も遅いのでこの情報収集は後にして、まずはネットから秋葉原ショップまで、どのPCパーツを選び、どこで安く買えるかを鼻水をぐずりながら何時間も情報収集・シミュレーションした結果、面倒くさくなってアマゾンに全部頼んだ頃には夜が明けてました。今日は朝から用があるのに。

寝不足による睡魔と戦いつつ、電車の中でさらに情報を調べていると、瀬川深先生が荒ぶっておられる。



おお、なんというジゴクか! 猫の死体を詰め込んだ奴は誰だ!?
ところが、まとめ主によると、削除の原因は大量のリプライが発言主に来たためと言っています。



しかし、すでに荒ぶっている一部の勢いは止まらない。大量のリプライが来たことが原因と説明されても、こういうことらしい。



なるほど。リプライが大量に押し寄せることも「圧力」となると、猫の死体を突っ込みに来た奴らは大勢いるようだ。しかし、ご自分では調べる気がナッシングのようなので、ぼくが代わりに調べてみた。

まず、ツイッター検索で演算子を色々いじりながら、最も多くのツイートを回収出来る方法を確認したところ、単純に「発言主のアカウント」でツイート検索かけた結果が引用RT含めて多くのツイートを抽出出来る事を確認。

そこで、発言主の一連のツイート後、最初に来たと思われる感想リプライの日付である8月15日23時28分から、8月17日17時00分に「”糞リプが来まくって支障が出るレベルなので当面鍵閉めます”とのこと」というツイートの連絡が来た時間まで、発言主に来た感想リプライを集計してみました。

集計ルールとしては先に示した方法、「発言主のアカウント」でツイート検索をかけて、表示されたものの中から、コミケの話等、一連のツイートと関係無いものを抜いた。

ここで集めたツイートを、以下の基準で5つに分類しました。

  1. 『賞賛』:「すごい!」「素晴らしい!」のような好意的リプライ・引用リプ
  2. 『批判』:批判的なリプライ
  3. 『疑問』:一連のツイートを事実かと疑うもの。前後の文脈から判断して、「うーんこの()」等のリプもここに。
  4. 『bot』:バズってるツイートを紹介するbot、自動的にツイートされるもの等
  5. 『中性』:賞賛でも批判でもない、「うちの家族も戦争で〜」的な自分語り等

分類にはどうしても自分の主観が入るため、第三者が検証出来るようにツイート内容と分類のスプレッドシートを公開するので、物好きは見ておいて下さい。『中性』は無記入マスが該当です。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1PkQ86O-OLU0tdZrNH_EEyBPstJDbuhM0BpoWYOzCWgs/edit?usp=sharing

集計の結果は、集計対象となったツイート数は156。ユニークアカウント数は138となった。ごく平均的なツイッタラーだと、2日で100以上も通知が来たら驚くだろう。この点はまとめ主の証言と一致する。で、その内容はどうか。ネトウヨの罵倒リプだらけだろうか?



自分が見た限り、罵倒や誹謗中傷に値するようなツイートは確認できなかった。賞賛と中性とbotがほぼ等しく、批判的なものは少なく、その中でも厳しい口調で批判しているのもなかった。もちろん、Twitterの検索はいまいち信頼性が薄い実感があるし、無料で表示されるのはストリームの一部という噂もあり、表示されなかったものの中に暴言が含まれていた可能性は否定出来ない。また、これを調べたのが8月18日の16時以降なので、騒動が大きくなったのを見て、攻撃者がリプライを消した可能性もある。

ただ、攻撃的なリプライが多数あったとしても、その痕跡が欠片も見当たらないというのはどう考えても不自然で、元から攻撃的なリプライは少なかったのではないか。問題は「糞リプだ」。

botに分類されたリプライは、全て糞リプと言える。全くの意味性を持たない、機械的で同じ内容の引用ツイートばかりだ。また、中性にも「うちは◯◯でした」というリプが少なからず見られるが、これが大量に押し寄せてきた時を想像して欲しい。聞いてもないのに聞かされる身にはたまらない。また、発言主に好意的であろう賞賛も正直一面的だ。ひとつふたつのリプライには気持ちよく応じられても、30以上来ると……。

というわけで、自分の調べた結果は、まとめ主の説明を補強する内容となった。批判的なものは少数しか発見出来ず、それもそこまで攻撃的でない。過去、ツイートする度に粘着してくるネトウヨから罵倒リプが飛んできた経験がある自分基準なので、「攻撃的」の敷居が高いかもしれませんが、そこが気になる方はスプレッドシート読んで確認して下さい。まあ、どっちにしろ批判的なものの母数は少なかったので結果は変わらんと思いますが。

さて、この騒動をネトウヨ愛国者による嫌がらせと勘違いした瀬川先生。このような嫌がらせ蔓延る日本では、将来は「自宅ポストに猫の死体が詰め込まれる」とまで想像たくましくした訳ですが、自分が見た限りではネトウヨ愛国者的な攻撃的リプライは無かったです。というか、”反戦”、”反安倍”と言った方々が糞リプに加わっているのが見られ(ぶっちゃけ右より多く)、そちらの方面の方々と普段から仲良くツイートされている瀬川先生におかれましては、その方面の方々に猫の死体を他人のポストに入れないよう、強く戒めて欲しいものです。

なお、キーパーソンであり事情の一端を発言主に確認しているまとめ主は、この騒動が変な形ばかりで拡散される事に少々呆れ気味のようです。






「ある層の人々」、厄介ですね。「軍事に卓抜した知識を持つ人々」みたいな野蛮人種じゃないのは文脈から明らかなんですが、自分勝手に騒ぐひどい人たちがいるんですね……。

しかし、自分も他人の不幸を自身の政治的主張のダシに使ってしまった過去はあり、こういうのは今後も律していかねば、と強く思いました(小学生並の感想)。


ところで、これをずっとMacbookで書いていたので、PCは漬物石のまま。これから号泣しながら組み立てますので誰か助けて(完)。


【助ける】



【直に救援できるリスト】
http://www.amazon.co.jp/registry/wishlist/3G7TL3SPFM0YR/ref=cm_sw_r_tw_ws_yXZ0vbRDBBDHJ 

2015年8月12日水曜日

コミックマーケット88”ドラゴニア”出展情報

コミケ88の出し物のお知らせです。

新刊は対空ミサイルか機動戦闘車の本を考えてましたが、なんか春以降にロシア取材などでドタバタした結果、資料あつめや読み込みも進まなかったので断念しました。

ミリタリの新刊は諦めましたが、なんか新しいものはカタチでも出さないとアカンなあと思うので、せっかくネットにも情報の少ないロシアのマイナー地域行ったのだから、その記録残すことにしました。

先日行ったロシア取材で得た情報や写真は、Yahoo!JAPANの著作物になるので、おいそれとYahoo!以外で公開出来んのですが、それだと色々と勿体無いので、Yahoo!JAPANの承諾を得て同人誌にすることが出来ました。

タイトル:「シベリアに行ってきました。」
ページ数:32ページ(本文、表紙含む。中綴じコピー本)
内容:ネットであまり見ないコムソモリスク・ナ・アムーレ、バム鉄道等についての情報
頒布価格:300円
発行部数:200部


C88新刊「シベリアに行ってきました。」
おお、このシンプル以外の何者でもない表紙……。時間が無かったというか、コミケ始まるのは13日だと思い込んでて、慌てて入稿を急いだせいなのですが……。中身も綺麗に統一出来なかったところもあるので、色々と心残りはあるのですが、なんとかカタチに出来ました。書店委託無し、再販もしませんので、今回持ち込みの200部こっきりでおしまいです。

それと既刊として、C86で出した「10式戦車データ大全」(600円(すみません、700円の間違えでした)、C87で出した「将来戦闘車両の一族」(300円)を各50部用意しております。



それでは、8月14日(1日目)東館マ-46a”ドラゴニア”でお待ちしております。

2015年8月9日日曜日

最近のお仕事告知とコミケ88について

dragonerです。
シベリアで虫に喰われた跡が未だに消えません。

最近のお仕事の告知です。Twitterでも告知してますが、 小泉悠先生のお手伝いで「日本海軍用語事典」の単語にちょっと関わらさせて頂きました。このような辞典本だと完全無料で記述の制約が事実上無いWikipediaがある中、どこまでWikipediaに無い情報出せるのかなーといろいろ詰め込んでみました。




お仕事告知その2。春に書いた「"大艦巨砲主義"のまぼろし」を元に、相当書きなおしたものを、学研の歴史群像ムック「戦艦「武蔵」の真実 (Gakken Mook)」に載せて頂きました。元にしたというか、中身はほぼ別物です。



歴史群像は中高生の頃から折に触れ読んできただけに、拙文を載せて頂ける日が来るとはちょっと感慨深いものがあります。アマゾンが売り切れですが、楽天ブックスはまだあるので、早く手に入れたい方はどうぞ。


また、コミックマーケット88ですが、ロシア行きその他がいろいろ尾を引いた関連で資料集めと精査がほとんど出来ておらず、軍事関連の新刊は見送ります。新刊は、シベリア紀行のコピ本でも出そうかなーと……。


既刊は「10式戦車データ大全」の残部50部を持ってきますが、前回のC87で「将来装輪戦闘車両の一族」を入手出来なかった方がいらしたので、増刷かけるか検討中です。

詳細は前夜にまた告知致しますので、よろしくお願い致します。




戦艦「武蔵」の真実
戦艦「武蔵」の真実
著者:相原謙次
価格:979円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る
日本海軍用語事典
日本海軍用語事典
著者:小泉悠
価格:1,836円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る

2015年8月6日木曜日

戦後70周年企画「シベリア還らぬ遺骨の今」公開について

お久しぶりです、dragonerです。シベリア帰りです。

Twitterご覧になっている方はご存知と思いますが、先月ロシアに10日ほど行っておりました。何故ロシアの、それもシベリア(正確には極東部ハバロフスク地方)に行っていたかと言いますと、以前からお伝えしていた戦没者遺骨問題について、Yahoo!JAPANの戦後70周年記念企画「未来に残す 戦争の記憶」の特集記事に関わらせて頂き、強制抑留者の遺骨収集活動の取材のためでした。

8月6日0時を持ちまして、特集記事が公開されましたので、ブログの方でも告知致します。

 シベリア還らぬ遺骨の今

また、「未来に残す 戦争の記憶」では、日本の様々な戦争記念館の様子を動画で見れたり、様々なメッセージを投稿できるなど、戦争と平和についてのコンテンツが多数収録されており、その内容を100年間残すことを目標にして構築されています。メッセージも投稿可能ですので、残したいこと、伝えたいことがある方は是非に。

また、今回の取材を快く承諾して頂いた、厚生労働省の社会・援護局の皆様、 日本遺族会会長で参議院議員の水落敏栄氏、青年遺骨収集団をはじめ遺骨収集活動に尽力されている皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。



7月現地取材なのに、企画知らされたのが5月半ばだったりして、なんだかドタバタしておりましたが、なんとか公開に至りました……。

あ、コミケの新刊?

ごめんなさい(完)