2013年10月10日木曜日

機動戦闘車のファーストインプレッション

さて、昨日発表された機動戦闘車ですが、基本スペックから実際の動作、さらには自分でペタペタ触って色々と確認することができましたので、ちょっとまとめてみたいと思います。

外観


機動戦闘車の外観について。最初は写真の撮り方考なんで、軍事的なものは薄いですよ。

この写真、原寸大表示可能ですんで、細部見たい方はクリックしてください。但し、ディテールが分かる様に影になって潰れていた部分を部分補正で見えるようにしてあるので、そこいらはノイズ多め。あと、補正の仕事は雑です。

まず、上の写真。斜め前からのカットが一番キマって映る。ただし、かなり鋭角の斜め。


イタリアのチェンタウロのWikiからデータ引っ張ってくると、全長(砲身含む)は8.555mのチェンタウロに対し、機動戦闘車は8.45m。約10センチ機動戦闘車の全長は短いんだが、チェンタウロと較べて砲塔が非常に小さい。横から見ると、のっぺりした印象を与えてしまう。もちろん、車高が低い事は安定に寄与するので良い事だけど、横からの見栄えは良くないので、鋭角で前撮影した方が無難かも。

チェンタウロ3面図



右斜め後ろから。砲塔後部、車体後部共にハッチあり勘違いしてた。砲塔後部はどうみてもハッチじゃないや。車体の後部は人が入れないこともないけど、アクセス性から考えてメンテナンス用が主眼と推測。動画でもここから人は出てきていない。




で、外観から明らかになるのは、車体高の低さ。これにより、ファミリー化されたとしても、兵員輸送タイプが作られる可能性は低いんじゃないでしょうか。
発表会場では乗員4名以外に乗れない事を惜しむ声・ファミリー化を懸念する声がありましたが、先に装輪装甲車(改)が発表された以上、バッティングする兵員輸送タイプは機動戦闘車ベースでは無いと思われます。第一、これ内部容積きっついと思う。
近々開発されるであろう指揮通信車後継とかも、NBC偵察車ベースの方が向いていると思うし。


武装


105ミリライフル砲。この砲身に空いたマズルブレーキが特徴ですね。マルチポート式のマズルブレーキは、自衛隊では初めてでしょうか。ライフリングに沿って空けられています。よくよく見たら、砲身歪み検知用のミラーから根本まで、サーマルジャケットで覆われているようです。
90式戦車、10式戦車は自動装填装置を搭載していますが、機動戦闘車は手動装填です。重量・容積とトレードオフの結果だそうですが、105mm弾で120mmよりは軽いこと、バコスカ高速で撃つような性格の車両ではない事を考えると妥当と思います。砲塔がすごく小さいですしね。



12.7ミリ重機関銃座。銃自体はありませんが、この銃座、10式と同じみたいですね。銃座の写真だけ集めなきゃ…。


同軸機関銃は7.62mm74式車載機関銃。でも、そろそろ新型欲しい気も……。



センサ系




砲塔左に車長用パノラマサイト。10式のに似ているが、小さく感じる。10式の光学系はかなり高倍率(いずれ同人誌に書きます)のサイト搭載しているのですが、機動戦闘車は広角寄りなのか。配置は10式と逆で、10式は砲塔右後方にあったのに対し、機動戦闘車は砲塔左前方。
また10式にも見られたミサイル検知用と思しきセンサが砲塔左右正面にある。下で比較してみよう。

機動戦闘車 ミサイル検知器?

10式戦車 ミサイル検知器
同じセンサの様に見えるんだけど、実装方法が全然違う。10式がセンサを砲塔4隅の凸部分に設置しているのに対し、機動戦闘車で確認できたセンサは砲塔前面の2つ。しかも、凹んだ箇所に取り付けてあるんだけど、どういうことだろ、これ。数減らすのはコストカット等で説明付くにしても、センサが凹部分の底にあるのはなんでだろ。ただ、周りのパネルの形状見ても分かるように、試作車両だからか簡単に交換できるようになっているので、量産車でどうなるか不明。単純に、試作時は交換やりやすいからという理由なのかも。



砲塔右には砲手用の固定サイト。これも10式と逆配置で、より小さい気がする。砲手用サイトは、反射光の色から判別して、こちらから見て右にあるものが赤外線、左が可視光センサと思われる。


環境センサー。折りたたまれていたので、外観写真からは分かりづらかったかもしれませんが、10式と同じタレス製のセンサーです。型番も一緒でした。



防護力


車体側面を見ると、車体に防弾鋼板と思しき厚さごにょごにょくらいの板がボルトどめされています。追加装甲だと思われますが、ボルトどめや想定される鋼板の重量考えると、ほぼつけっぱなしになっていると思います。輸送条件に応じて、取り外しと言ったところかと推測。



そして砲塔周りの防護。これも10式と同様、砲塔本体に付加する装甲を付けていると考えられる。というか、砲塔本体と付加装甲の境界きっちり見えました。10式よりは付加装甲のスペースが薄い感じです。
それと、発煙弾発射機も砲塔側面に設置してあります。



足回り


言うまでもなく8輪のタイヤによる走行ですが、足回りがちらりと見えます。


プレートにピント合って無くてすみません(;´Д`)。ですが、ダイキン工業/三菱重工製の懸架ユニットです。ダイキンというと、油圧関連でしょうから、油気圧サスペンションでしょうか。反動抑制技術を考えると、10式戦車応用のアクティブ懸架の可能性が高いと思われます。



その他



砲塔上面なんですが、かなり念入りにすべり止めがなされています。あまり上面に登れた車両が無いのでなんとも言えんのですが……。


取り付けられているアンテナを確認するのを忘れていたのですが、恐らく10式と同じ東芝製JAT-S33。つまり、アンテナは10式並の通信をする能力が可能ということか。中に何を積むかは別として。

次は、今までの装甲車両にこんな装備あったっけ、ってなものを。


↑こいつです。砲塔後部の両側面についた収納スペースと思わしき専用空間。ある種のユーティリティースペースで偽装網などをここに入れたりするそうです。



中の人を見ると、偵察教導隊。機動戦闘車は新カテゴリの装備とはされていますが、87式偵察警戒車の後継装備としても考えられているのかもしれません。ユーザーとしては、普通科、機甲科も想定されているとのこと。

取り急ぎのファーストインプレッションはここまで。またなにか気づいたことあったら追加でお知らせします(・ω・)ノシ


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